「家相」間取り、玄関台所トイレとその対策
そもそも、家相とは何なのでしょうか?
簡単に言うと、家相とは土地や建物の吉凶を判断する方法で、基本的には中国思想を元にしています。易、陰陽五行説、方位、十干十二支、九星などから判断します。
最近日本でも風水という言葉が聞かれるようになりましたが、元々中国で風水というのは、都市の建設の際にその土地がよいかどうかを見たり、またそれぞれの家では陰宅といってお墓の位置がよいかどうか、また陽宅といって自宅の位置がいいかどうかを見るという大きなものです。
昔から日本にも入ってきていたようですが、一般大衆にも広がったのは、印刷出版が盛んになった江戸時代後期からのことです。風水で重要なお墓の吉凶はあまり話に登らず、家の吉凶、特に玄関や台所といった家の中の構成、間取りの吉凶が関心を引き、「家相」として広まっていきました。
家相の吉凶判断
では、家相において、何を持って吉凶を判断しているものを見ていくと、だいたい三つに分かれます。
1)陰陽五行説などの中国思想によるもの
この世界にあるものをすべて陰と陽とに分けて考える陰陽説とそこから発生した易。さらにすべてのものを木火土金水の五つに当てはめて考える五行説から吉凶を判断したもので、家相の基本とも言えます。陰陽五行に加えて、方位や干支や九星なども考えて、吉凶を判断する人もいます。
2)語呂合わせ
意外にあるのが語呂合わせです。家相に限らず、このような話は多いようで例えば三隣亡は元々三輪宝といって良い日でしたが、いつの間にか「さんりんぼう」になり、三隣亡という字が当てはめられて大凶の日になってしまいました。ホテルでは○○4号室の部屋がないところが多いように、こだわる人は結構いるようです。
3)経験によるもの
今まで日本人は何世代も重ねてきましたし、何軒もの家を建ててきました。そこで得られた経験は次世代にある程度伝えられたはずです。それが家相にも残されています。例えば「大きすぎる天窓は難を発する」というのがあります。天窓を大きく作ると明るくなりますが、陽が入りすぎて夏は暑くなります。最近の建築では天窓を作ることがはやりのようですが、良し悪しがあることがわかります。
家相の問題点
家相の判断についてですが、いろいろと問題があります。
1)中心点の設定
陰陽五行説からきた吉凶判断では方角が問題になります。その為には家の中心点を設定しなくてはなりません。きっちり正方形ならば設定は容易ですが、現実の家は長短やでこぼこがあることが普通です。例えば凹型の家だとします。上部のへこんでいる部分を両脇から削って埋めて完全に長方形にする、という決め方もあれば、へこんでいる部分は気にせず、そのまま建物の端を基準にして決めるというやり方もあります。この二つでは中心点の位置がだいぶ変わってしまいます。これが変形の建物になるともっと変わってきます。
2)方位が少し変わると吉凶が変わる
何度違えば吉凶判断が変わるのかというのはそれぞれの流派によりますが、360度のうちの15度というのが多いようです。例えば北だと凶だけど北北東だと可、というような判断もよくあります。その差は何の違いなのでしょうか?また前述したように中心点の設定は簡単ではありませんので、中心点が少しずれると吉凶が簡単に入れ替わってしまうことになってしまいます。
3)いろいろ組み合わせるとさらにわからなくなる
どこ何を置くと凶といったようなものだけでなく、他のものを組み合わせる流派もあります。例えば、住む人の生年から、その年の方角の吉凶を見て、購入したい家を見てみる人が結構います。しかし、これをやると問題になるのは、夫は吉だが妻は凶だ、とかになりがちなことです。夫婦吉に揃うまで待っていたのでは物件が限られて、いつまでも引っ越せません。九星(二黒土星など)も見だすともっと大変になります。実は方位や九星など、いろいろ組み合わせるのは鑑定する方も好みますし、される方も好みます。鑑定する方は差別化になりますし、される方もいろんな占いが好きな人が多いためです。しかし、いろいろと持ってくるとさらに判断がつかなくなる例を何度も見ました。
4)流派がある
どんな占いでもそうですが、いくつかの流派に分かれるものです。家相でも同じで、いくつかの流派があります。基本的なところはだいたい同じですが、吉凶の判定が流派で異なることがあるのです。違いがなければ流派として分かれることもないわけですが、どちらを信用していいのかわかりません。さらに家相は江戸時代に中国から入ってきた書籍を種本にしていますが、中国から入ってきた本の間でも吉凶が分かれています。そういうものではありますが、どれを信じていいのかわからず、家相そのものを考えてしまいます。
家相で問題になる玄関、台所、風呂、トイレ
家の間取りで家相上問題になるのが、玄関と、水回りのもの、台所、風呂、トイレです。
また、問題になる方角が鬼門と言われる北東と、その反対側の裏鬼門と言われる南西です。玄関や水回りのものを鬼門や裏鬼門に置くと凶であると言われています。その他にも真○(真北、真西など)に置くのも凶という説もあります。
さらに鑑定者によっては、間取りの方位だけでなく、今住んでいる家からの方角や、あるいは四柱推命のように誕生日や九星を組み合わせたりします。面白いですが、夫婦で違ったりすると、どちらかが凶になってなかなか物件が決まりません。いろいろ組み合わせないと差別化できないですし、ありがたみがないと商売にならないところはあります
家相をたくさん見るとわからなくなる
何件か家相を鑑定してもらうと「鑑定する人によって言うことが違う」ことになります。自分で家相の本を読んだりして勉強された方もおられるかもしれませんが、気がつくのはとにかく「何が正しいのかわからない」ということです。家相について、たくさんの本が出版されていますが、ある本では吉なのに、ある本では凶だということが普通にあります。どれを信じていいのかわかりません。
さらにもっと根本的なことを考えると、陰陽五行説など中国もものが元になっているのはわかるのだけれど、これは信用できるのでしょうか?そこまで疑い出すと、何がなにやらわからなくなってきます。
家相鑑定しています
ただ、大体鬼門や裏鬼門が凶だとか、共通するところはあります。
家相を相当勉強してきましたので、出雲大社紫野教会でも家相の鑑定、相談を行っています。
→京都で家相の鑑定、相談を行っています
あくまでも基本的に共通する観点から見ていきます。その他、土地の形状や昔の利用なども見ていきます。(そちらもかなり重要です)
家相の凶相への対応策
それでは、例えば「トイレの位置が悪い」などと家相で凶相だと言われた場合、どのようにすればいいでしょうか?
新築の場合なら計画を変更することは可能です。建てる前でしたら間取りを変更するのは難しくはありませんが、家相上まったく問題ないようにするというのは簡単ではありません。特に土地が広ければ自由に作れますが、そうでなければ何かが鬼門か裏鬼門に来てしまいます。
すでに建ててしまった、またはすでに住んでいる家の場合には、改築する、あるいは転居するというのが確実です。しかし、当然ですがかなりのお金が掛かります。たやすくはできません。
ということで、対策と言ってもなかなか難しいところです。
さらに困るのが、一度聞いてしまうと気になって仕方ないということです。玄関の位置が凶だとか聞くと、悪いことがあるとすべてそこが原因であるように思えてきます。これは自然なことです。
家相の凶相がすべてなくなる出雲屋敷
家相に対して、陰陽五行説等とはまったく違うアプローチで、問題を解決する方法があります。それが出雲大社に伝わる「出雲屋敷」です。
→すべての家相鬼門の凶相が無くなる出雲大社の出雲屋敷
簡単に言うと、出雲大社から頂いた神土を土地の四方と中央に埋納し、建物の四方と中央にも神札を貼り、神棚をお祀りすることによって、土地建物全体が出雲大社の御祭神である大国主大神さまのいわば神屋敷となるため、家相や鬼門の凶相から護っていただき、一切気にしなくてもよくなるというものです。
新築の場合だけでなく、既存の家も出雲屋敷にすることが可能です。家相で悩んでいる方はぜひご検討下さい。
※「出雲大社紫野教会」は全国に100以上ある出雲大社教の分祠、分院、教会、講社の一つです。京都市北区で大国主大神さまをお祀りし、ご参拝、ご祈願ができます。また、お札お守りなどの授与を行っています。気軽にお参り下さい。
→出雲大社紫野教会について
<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
★教会長中島の本が出ました!
日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。