子供の成長の無事を祈る七五三
子供の成長の無事を祈る七五三
子供のお祝いである七五三は男子は三歳と五歳、女子は三歳と七歳に新衣を着て神社でご祈願をして子供の成長の無事を祈ります。
その昔、男女が三歳になると「髪置の祝」という儀式が行われました。これは白髪のかつらを頭にかぶせ、白髪になるまでの長寿を願うというものです。男子五歳の時には「袴着の祝」が行われました。これは袴や小袖などを出して、碁盤の上に立たせて袴を着ける習わしでした。女子七歳には「帯解の祝」が行われました。帯の代用をしていた付け紐を取って、初めて帯を締めさせるならわしです。
本来は十一月十五日が七五三の日であり、この日に晴着を身につけて神社にお参りしてご祈願するというものですが、現在はその日が平日になることもありますので、その付近の土曜日曜にお参りに行く家族が多いようです。
今は子供のうちに不幸があるということは少ない時代で大変よい時代だと思います。うちの祖霊殿でお祭りしている名簿を見ると、五十年ほど前には五歳くらいまでに亡くなった子供のみたまさまがたくさんあります。そんな子供の死亡率が高かった時代は、七五三の祈りも本当に切実なものであったろうと思います。そういう時代のことも、忘れないようにしたいものです。
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<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
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