罪汚れを祓って清浄になる大祓
罪汚れを祓って清浄になる大祓
大祓は年に二回、六月三十日と十二月三十一日に全国の神社で行われます。人は知らず知らずのうちに罪やけがれを作りますが、それを祓って災いから逃れるために行うのが大祓です。清浄を好む日本人ならではの行事でしょう。
罪けがれを払う方法はいくつかありますが、最も多いのは人形(ひとがた)に移しつけて、それを海や川に流すというものです。また六月の大祓は特に「夏越(なごし)の祓い」と呼ばれ、茅を束ねて大きな輪にしてそれを神職や参列者がくぐる「茅輪(ちのわ)くぐり」が多くの神社で行われます。これは『備後国風土記』で、蘇民将来という人が茅の輪をつけていたので疫病からまぬがれたというお話からきています。夏の大祓はこれから暑くなって疫病が流行る時期でしたので、特に熱心に行われたのでしょう。
この大祓は朝廷では奈良時代から行われてきた行事だといわれ、それが民衆にも普及していきました。大祓の日に都合がつけば、近くの神社に行ってみて、大祓にぜひ参列してみてください。
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<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
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