ご先祖さまをお祭りする春分、秋分の日

ご先祖さまをお祭りする春分、秋分の日

ご先祖さまをお祭りする春分、秋分の日

 平成二十五年現在、日本の祝日は年に十五日あります。その中で春分の日、秋分の日はなぜハッピーマンデー制度の対象でないのか、また、どうして春と秋だけで、夏至と冬至は祝日でないのか、など不思議に思われたことがある人も多いのではないでしょうか。
 この春分の日と秋分の日には、皇室において「春季皇霊祭」と「秋季皇霊祭」が行われます。そのことが祝日になった理由なのです。皇霊祭とは皇室のご先祖さまのためのお祭りです。
 現在、春分の日の趣旨は「自然をたたえ、生物をいつくしむこと」とされていますが、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶこと」となっています。仏教でもこの時期はお彼岸の時期であり、ご先祖さまのための法要を行う時期とされています。ですから、先祖をお祭りするという、日本の伝統を受け継いでいる日なのです。
 神道ではご先祖さまのお祭りを「先祖祭祀」といいます。皇室の先祖祭祀も長らく仏式で行われてきましたが、明治時代の初めに神式に変わりました。といっても仏教伝来以前は仏式ではなかったでしょうから、神式に戻った、といった方がよいのかもしれません。
 江戸時代に徳川幕府によってほぼすべての人が仏式での先祖のお祭りを強要されていました。そのため、明治時代に自由になったとはいえ、神式で先祖祭祀をしている人は少数にとどまっています。
 そのため、神社でもこの日に春季祖霊祭、秋季祖霊祭を行うところもありますが、あまり多くありませんし、少数の方だけで行っているところがほとんどです。ただ、出雲大社のように先祖祭祀を熱心に行っている神社もあります。最近は神道が見直されるようになり、ご先祖のお祭りも仏式から神式に変える人も増えてきています。
 神式、仏式いずれにせよ、ご先祖さまに尽くすことはよいことだと思いますし、日本のよき伝統だと思います。春分、秋分の日に何もしていないという方は少しでもご先祖さまのためになることを始めてみてはどうでしょうか。


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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

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