お正月はなぜめでたいのか

お正月はなぜめでたいのか

 お正月はなぜめでたいのか

   お正月はなぜめでたいのでしょうか?
 と何人かの人に聞いてみると、みんな一瞬、えっ?と不意をつかれたようになってしまいました。お正月だからとにかくめでたいんじゃないの、という人もいましたが、実はめでたいのにはきちんとした理由があるのです。
 なぜめでたいのかというと、正月にはこの一年の豊作や家に幸いをもたらす神さまである「年神(としがみ)さま」がいらっしゃるからなのです。年神さまに家に来て頂くために、玄関には門松を立てます。反対に悪しき神が入ってこないようにしめ縄を張ります。そして鏡餅などは年神さまにお供えするためのものなのです。ひょっとすると、正月っぽい雰囲気を演出するための装飾じゃないの?とか思っていた人もいるかもしれませんが、そうではなくて、すべて神さまのためのものなのです。
 おせち料理を作るもの理由があります。一年に一度、正月最初の数日くらいは「かまどの神さま」にお休み頂こうということで、日持ちするおせち料理を作るようになったわけです。台所にはかまどの神さま、トイレにはトイレの神さまと、日本人はいろんな所に神さまがいると信じているのですね。
 お正月の風習を見ていくと、その一つ一つにきちんを理由があり、祈りがこめられていることがわかります。昔の日本人は今よりも盛大に正月を祝っていました。娯楽が少なかったというのもありますが、昔は寿命が短く、いつ病気になって死ぬかわからない、という感覚が強かったからでしょう。旧暦の時代はみんな元日に一歳年を取りました。今年も一歳年を取った、そしてこの一年無事であってほしい、という気持ちは相当強いものがあったのではないかと思います。
 現在の日本人のお正月はさまざまのようです。昔ながらのお正月を続けている家もありますが、お正月らしいことをまったくしない家も増えてきたそうです。それぞれの事情もあるとは思いますが、お正月の風習にこめられた意味も考えて、少しでもお正月らしいことを増やしてみるのはよいことだと思います。また、日本の伝統を守るという意味でも大切なことではないでしょうか。


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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

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