運が向かなくてうまく行かないこともあるが、時が経てば好転していきます

運が向かない時があっても好転する

 古代の人々は自然を見て、この世界は繰り返す、循環するということに気がついたと思います。循環でもっともわかりやすいのは、毎日昼と夜が繰り返すことです。次に月を見ると、満月は日は経つにつれ次第に欠けていきます。半月、三日月になって、最後は新月となり真っ暗になります。しかし、また三日月が見えるようになり、そしてまた満月の日を迎えます。繰り返すのは季節もそうです。春が来て暖かくなり、夏が来て暑さのピークを迎えますが、秋が来て涼しくなり、そして寒い冬となります。しかし、必ずまた春を迎えます。年月日、こうして繰り返していくわけです。
 春に勢いよく葉が出だし、夏に最盛を向かえ、秋になると落葉し、冬になると枯れ木になってしまう、これを毎年見た古代の人たちは神秘さを感じたのではないでしょうか。まるで死んでしまったかのように見える木々も、春になると生き返ったように再び葉が出てくる、これに生命力の強さを感じたことでしょう。

 中国から入ってきた陰陽五行思想や十干十二支が日本人にも受け入れられたのは、それが当時最先端の科学だったということもありますが、日本人の感覚とも合っていたからだろうと考えています。年を表すのに十干十二支も利用しましたが、六十年で一周します。それが還暦です。陰陽五行思想は運勢判断や占いの元になり、日本でも幅広く利用されて、今なおその影響は続いています。

 運勢でいうと、なんだか最近うまく行かない、と思ってしまう時期があります。もしかしたら、これを読んでいる人の中に、最近どうも運が悪い、やることなすことうまく行かないと思っている人もいるかもしれません。うまく行かない理由は自分のミスや実力不足によるものあるかもしれませんし、自分には原因がなく外部からもらったものであったり、偶然のものもあるでしょう。たまたまそれらが同時に来たのかもしれません。

 昔の人もそうでしょうが、自分や他の人の人生を見ていると、ずっと好調、ずっと運がいいということはほとんどなく、好調不調、運のいい悪いが循環していることを感じます。
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」と歌ったのは平安時代の摂政藤原道長でしたが、徐々に望月(満月)は欠け始め、権力を一手に握った摂関政治はその後院政に取って代わられました。最近のコンピュータやインターネットの世界では変化がもの凄く速くて、この前勝者だった会社が数年で苦境に陥ったりする例も少なくありません。絶好調はいつまでも続かないから、それが終わった時の準備をしておくことも必要だということでしょうか。

 人の運勢もまた生きている限り、循環します。調子がいいからと言って油断すると危険です。反対に、悪い時がずっと続くわけではありません。なぜか最近運が悪いと思うことがあっても、慌てずに、冬の木々のようにじっと耐え、力を貯めて、運勢が好転する時を待ちましょう。


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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

★教会長中島の本が出ました!
 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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