だいこくさまのようにニコニコして暮らすのが豊かな暮らしへの道

ニコニコして暮らそう

 神仏習合の時代が長かったですから、日本の神さまの中には外国が起源の神さまもおられます。その最も典型的なものは七福神です。布袋(ほてい)は中国唐時代の僧侶ですし、福禄寿(ふくろくじゅ)と寿老人(じゅろうじん)は中国道教の神、大黒天、毘沙門天、弁才天にいたってはインドのヒンズー教の神さまで、恵比寿だけが日本の神さまです。つまり、日中印の神さまの集まり、宗教でいえば神・仏・道・ヒンズーの神の集まりが七福神なのです。

 七福神のうちの「だいこくさま」こと大黒天は福の神として知られていますが、元々はインドの戦の神でした。ですから非常に恐い顔をしていたようですが、これが中国を経て日本に入った時に、出雲大社の御祭神である大国主大神と習合しました。大黒と大国の音が一緒だったのが習合の理由の一つだそうですが、早いうちから大黒天のイメージは大国主命の影響を強く受けてしまいます。

 大黒天といえば右手に打ち出の小槌を持ち、左手に大きな袋をかついでいる姿を想像します。大きな袋というと、古事記に出てくる因幡の白兎の神話において、大国主命は兄弟たちの持ち物が入った大きな袋を担がされていました。大黒天の袋はここから来ているものです。また大黒天のお使いはネズミですが、これも古事記神話の中で大国主大神がネズミに助けられた、という話から来ています。つまり大黒天は元々インドの神でしたが、ほとんど大国主大神であるといってもおかしくない神さまなのです。

 俵の上に座り、ニコニコされている姿の大黒天像を見たことがある方も多いと思います。大黒天、大黒さまは福を与えてくれる神さまですが、このいつもニコニコしている、というところが重要なのではないかと思います。富を得たいと思う人も多いと思いますが、その近道は常にニコニコしていることではないか、と考えています。例えば、誰か個人に仕事を発注するとします。その人しかできないとかあれば別ですが、実際にはそんなに差がないことの方が多いです。作れるものが同じならば、結局は価格と、あとは人柄で決めるのではないでしょうか。ぶすっとして不機嫌な人物よりも、常にニコニコしている人に仕事を依頼するのが自然です。神さまも同じで、どちらかといえばニコニコしている人間をより応援したいのではないでしょうか。

 もちろん人間いつもニコニコできるわけではありません。機嫌の悪い時もあります。体調が悪い時もあります。そんな時でも、大黒さまの笑顔を思い出して、できる限りニコニコしていたいと思います。


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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

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