神は我々の祖先である

神は我々の祖先である

 神道を学ぶのに必要なのは、とにかく神話を読むことです。まずは古事記を読み、次に日本書紀を読みます。何度も何度も読んでください。それが神道の基本であり、神道の教えもそこにあります。

 この世界の始まりについて、日本の神話では、まずどろどろとしたものがあり、それが天と地に分かれて、そして最初の神が生まれた、ということになっています。最初の神の名は古事記では天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、日本書紀の本文では国常立尊(くにのとこたちのみこと)となっています。最初の神は成りいでた、あるいは生(あ)れました、と書かれているところから、まず世界があってそして発生した、ということです。
 その後を古事記から見ていきますと、天之御中主神の次は二柱のムスヒの神、高御産巣日神(たかみむすひのかみ)と神産巣日神(かみむすひのかみ)が成られます。次々に神が成られ、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が現れます。
 そして、この二神は結婚し、淡路島を始め、日本列島の島々を生まれます。ここで成るのではなくて、生まれることになります。島の後はたくさんの神々を生まれ、そして三柱の特に尊い神(天照大御神、月読命、須佐之男命)を生まれます。
 人間がどこで生まれたのかは書いてありませんが、国が生まれたわけですから、人間も神から生まれてきたのでしょう。そのように考えると、神道においては、私たちも神から生まれてきた、神の子孫であると言えるのです。この話を聞くと、日本人はたいてい、ふーんと思うだけです。別に不思議とは思いません。

 世界にはいろんな宗教がありますが、その中でも特に、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教といった一神教はかなりの広がりを見せています。それらの宗教では、まず絶対主がいてこの世界を作り、そして人間も作った、とされています。

 神道など    世界があって、神が生まれて、人間が生まれた
 キリスト教など 絶対主がいて、世界を作り、人間を作った

 神も絶対主も偉い存在には変わりないので同じように思ってしまうのが日本人ですが、この違いは非常に重要です。産業革命以降の世界はキリスト教国が優勢であり、日本も憲法や人権思想など多くの制度や思想を受け入れていますが、それらの根底には必ずキリスト教が存在します。また、イスラム教は現在世界で一番信者が増えている宗教と言われています。
 人は神から生まれてきた、絶対主が人を作った、この違いは覚えおく必要があります。


<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

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 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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