神道の葬儀「神葬祭」
神道のお葬式のことを「神葬祭(しんそうさい)」と申します。
京都市北区にある出雲大社紫野教会では、その神式の葬儀である「神葬祭」を行っております。
出雲大社と神葬祭
現在神道でお葬式をする人は少ないのですが、これは江戸時代に徳川幕府が大衆に寺請制度(いわゆる檀家制度)を強制したため、ほぼすべての人が仏式でお葬式や供養を行うことになりました。
明治維新が起こりって自由となり、やっと神式の葬儀も自由にできるようになりました。最も熱心に神葬祭を行ったのは出雲大社でした。というのも、御祭神である大国主大神が死後の世界である幽冥(かくりよ)を治める神さまでもあるからです。
そこで、出雲大社祖霊社、そして全国の出雲大社教の分祠、分院、教会、講社では、神道のお葬式と神式の先祖祭祀を熱心に執り行っており、京都市北区にある出雲大社紫野教会のその一つです。
出雲大社紫野教会の葬儀の流れ
出雲大社教の葬儀の考え方は次の通りです。
、「死後の世界でみたまさまが安らかにお鎮まりになるようを大国主大神さまにお願いし、家を見守る神となるようにお祈りする。そしてこの世よあの世、二道にわたって大神さまのご守護を頂くことによって、人々は安寧を得ることができる」。
つまり、生きている間もおかげを受けているわけですが、それだけでなく、死後も幽冥でおかげを受けて、幸せに暮らすことができる、ということなのです。
それでは、葬儀の流れですが、京都では簡単には以下のようになります。
(ご遺族の方が葬儀社、斎場を決定)
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ご遺族の方から出雲大社紫野教会へ連絡
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帰幽奏上祭
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葬儀詳細打ち合わせ、日取りの決定
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招魂祭・前夜祭
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葬祭
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火葬祭
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帰家祭
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十日祭
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毎十日祭
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五十日祭
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埋葬祭
1)ご遺族の方からの連絡 出雲大社教では人は幽冥から生まれてきて幽冥に帰ると考えており、亡くなることを帰幽(きゆう)する、と申します。まず帰幽されたとのご連絡を出雲大社紫野教会にご連絡下さい。まず前夜祭、葬祭の日程を決定いたします。
2)帰幽奏上祭 帰幽の連絡を受けると大国主大神に帰幽されたことを報告するお祭りを出雲大社紫野教会の神殿にて行い、大神さまのご加護を依頼します。
3)葬儀詳細の打ち合わせ 神職が赴き、遺族の方、葬儀社と神葬祭の詳しい内容について打ち合わせいたします。また、時間があれば前々夜祭として亡くなられた「みたまさま」のために霊魂安定詞を奏上します。
4)招魂祭・前夜祭 葬祭の前夜に行います。「みたまさま」を霊璽(れいじ)にお移しします。喪主はじめ親族、参列者は玉串拝礼を行い、みたまさまが安らかにお鎮まりになるよう祈ります。
5)葬祭
みたまさまとのお別れの祭儀ですから丁重に、厳粛に行います。みたまさまを偲び讃える言葉「誄詞(るいし)」を奏上し、また、喪主はじめ親族、参列者は玉串拝礼を行い、みたまさまが安らかにお鎮まりになるよう、また大国主大神さまにご加護をいただけるように祈ります。
6)火葬祭
火葬場においてお別れの言葉を奏上します。
7)帰家祭 斎場、または自宅に戻り、みたまさまがお鎮まりになる霊璽を拝礼します。
8)十日祭 帰幽日から十日目に十日祭を行いますが、最近は帰家祭と併せて行うことが多くなっています。
9)毎十日祭
十日、二十日、三十日、四十日と十日ごとにお祭りをします。神職を呼んで行う方もあればご家族の方だけで行う方もあります。
10)五十日祭 五十日祭は大変重要なお祭りですので、必ず行って下さい。神職を呼んで清祓式、五十日祭、合祀祭を行い、家の祖霊舎(みたまや)に合祀します。また、出雲大社紫野教会の祖霊殿にも合祀して大神さまのますますのご加護、とみたまさまがあの世にて楽しく過ごされることをお願いします。この日を以て、忌み明けとなります。
11)埋葬祭
墓所において、遺骨をお墓に埋葬します。仏式では四十九日を待って埋葬する所も多いようですが、神道では特にこだわらず、埋葬はできれば早い方がいいでしょう。(火葬が主流になったのはそんなに昔のことではありません。土葬の時はもちろんすぐに埋葬していました。)
お墓を新たに建てる場合はそれを待って埋葬します。
☆なお、このお葬式の流れは京都でのもので、同じ出雲大社教の分祠、分院、教会、講社であっても地域によっては大きく異なります。例えば出雲地方では葬祭の前に火葬することが多いようです。
葬儀の後の先祖祭祀
葬儀も大事ですが、神道ではその後の先祖のお祀りも非常に重要です。
まず、出雲大社紫野教会の祭祀で葬儀を執り行ったみたまさまは、京都紫野の祖霊殿に合祀いたします。大神さまのお近くにお鎮まり頂きます。神職が毎日奉仕いたしまして、みたまさまの冥福をお祈りしております。
また、春秋には祖霊祭大祭を行いますので、ぜひお越し下さい。
ご家庭の祭祀ですが、仏教でいう仏壇にあたる祖霊舎(みたまや)をお祀りでしたら、五十日祭の時に合祀させて頂きます。祖霊舎がない場合、新たに設けられることをお薦めします。小さいものでも構いません。どのようなものがよいか、どこにお祀りしたらよいか、どこに発注したらよいかなど、すべて神職よりお話させていただきますので、ご安心下さい。
葬儀の費用など
葬儀はどなたでも可能です。今まで神道や出雲に関係がなかった人でも大丈夫です。最近は元々家は仏式だったという人が増えています。
費用については、規模や神職の人数などで変わりますので、お問い合わせ下さい。
基本的には神職一人の場合、帰幽奏上祭-前夜祭-葬祭-帰家祭(十日祭)までで三十万円です。
大きな葬儀で雅楽など人数が多い時はその分費用が掛かります。
神道では戒名はありませんので、戒名料のようなものは掛かりません。
葬儀は遺族にとって大変ですから、少しでも負担を少なくするため、お車代や食事代といったお心付けなどはすべて込みにさせていただいています。
葬儀のお申し込み、質問、相談など
神葬祭のお申し込みを希望される方は、出雲大社紫野教会(京都:075-491-2943)まで、まずお電話下さい。またはお問い合わせのページからご連絡下さい。
ご質問、相談なども受けておりますので、お気軽にご連絡下さい。
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