神職、神主、宮司、禰宜などの呼び名について
神社において奉仕する神職について、神職の他に神主、神官、宮司、禰宜といった言葉がありますが、どういうものなのかを説明していきます。
神職
現在神社界において、神さまに奉仕する専門職として使われているの言葉は神職(しんしょく)です。神社本庁が発給するのは神職資格であり、神職規定もあります。一般の方が普通に呼びかける時は「神職さん」かあるいは「神主さん」がよいでしょう。
神主
神主(かんぬし)は昔は職級の一つであった時代もありますが、神職一般のことを指して
現在も使われています。個人的には神職は音読みで神主は訓読みであり、語感もよいので神主の方をよく使っています。
神官
神官(しんかん)は昔から神職一般のこととしても使われてきましたが、明治の初めに神官の制度が正式にできましたが、その後神宮(伊勢神宮)だけになり、第二次大戦後は使われなくなりました。「官」という文字が入ると、官吏、つまり公務員の印象が強くなります。現在の神社は宗教法人ですから、職員ももちろん公務員ではありません。
たまに「神官さんが~」とか使われる方がおられますが、神社界では使われていません。
宮司
現在の神社では一番の長の職に就いている人を宮司(ぐうじ)と呼びます。会社でいえば社長に当たります。
参拝する方の中に神職一般のことを宮司という人が結構おられます。「先ほど鳥居の近くで会った若い宮司さんが~」とか言われると驚いてしまいます。社長が一人しかいないのと同じく、宮司も一つの神社には一人しかいないからです。
大きな神社には権宮司(ごんぐうじ)が置かれているところがあります。会社でいえば副社長でしょうか。
また、神宮(伊勢神宮)だけは大宮司と少宮司が置かれています。
禰宜
禰宜(ねぎ)は昔は職級の一つとして使われていたり、神職一般の言葉として使われたりすることもありました。現在の神社では職級の一つとして使われています。
職級は上の方から
宮司
(権宮司)
禰宜
権禰宜
出仕(しゅっし)
となるところが多いようです。
<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
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