式内社や官国幣社など神社の社格について語ります

神社の社格について

 神社をいろいろと参拝していると、社名が書かれた碑を見たり、由緒書をいただいたり、または本を読んで勉強したりすると、「式内社」「官幣大社」「名神大社」などの文字を見ることがあるでしょう。これらは何なのかを見ていきます。

式内社とは

 式内社(しきないしゃ)とは延喜式神名帳に載っている神社のことです。延喜式(えんぎしき)は平安時代に編纂された、朝廷の律令の施行細則が記されたものです。最初は神祇部から始まっており、朝廷で行われるお祭りについてなどが記されていますが、神祇の九、十には全国の式内社一覧が書かれています。○○国○○郡○○神社という社名だけですが、そこに挙げられた神社を式内社、または延喜式内社と呼びます。ということで式内社といえば、少なくとも平安時代からある、古い、伝統のある神社ということになります。

 式内社は全国で2861社あります。このリストを見ていくと、現在もあるこの神社だとすぐにわかるものも結構ありますが、よくわからない神社もあります。その理由は、所在が郡までで、それより詳細な住所が書かれていないためです。それから平安時代のリストにはあっても、その後の長い歴史の間で戦乱にあったりして、所在が不明になってしまった神社もあるからです。

 この式内社については『式内社調査報告』式内社研究会編/皇學館大学出版という本にまとめられていますから、興味がある方はぜひご覧下さい。式内社のすべて、一つ一つについて、学者達が現在のどの神社であるのか。また決定的な証拠が無く、一つには決められない場合は、その可能性のある神社をすべて挙げているという、なかなか素晴らしい本です。

名神大社

 神社の中でも霊験著しい神社を名神大社(みょうじんたいしゃ)と呼ばれていました。延喜式内社の中には名神大社とされた神社が200強あります。現在まで続いている大きな神社もかなり存在します。

官国幣社

 みなさんが神社にお参りした際に、例えば「官幣大社○○神社」と記された碑などを見たことがないでしょうか。この官幣社(かんぺいしゃ)や国幣社(こくへいしゃ)という名で社格を表す官国幣社の制度は平安時代と明治時代の二つがありました。

☆延喜式
 延喜式において官社とされた神社は、神祇官から幣帛を奉られる官幣社と、国司から幣帛を奉られる国幣社の二つに分けられ、官幣大社、国幣大社、官幣小社、国幣小社の順で格付けられました。

☆近代社格制度
 明治新政府は明治4年に全国の神社の社格を定める布告を出します。官社と諸社に分けて
官社は
 官幣大社、国幣大社、官幣中社、国幣中社、官幣小社、国幣小社、別格官幣社
諸社は
 府社・県社、郷社、村社、無格社
の順です。第二次大戦敗戦後に神社は国家管理から完全に離れましたので、現在はこの社格はすでに有効ではありませんが、古い石碑などに残っているところもあります。

別表神社

 現在は社格はなくなったわけですが、全国の神社の大半が所属している神社本庁のある規定において「別表に掲げる神社」という項目があり、由緒や規模などによって有力な神社が挙げられています。これらは別表(べっぴょう)神社と通称されていて、全国で約350社あります。

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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

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 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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