御朱印とは何か、コレクターでよいのかなどを語ります

御朱印について

御朱印の歴史

  このページを作るに際して、改めて御朱印とその歴史を調べてみました。おそらく、お寺起源だろうから神道系の辞典には無いだろうと思って見てみましたが、やはり載ってませんでした。次に仏教系の辞典などを片っ端から見てみたのですが、「朱印」は存在しませんでした。(手で結ぶ印である「手印」はありましたが)

 仏教においても教義的な面では重要な事象ではないということなのでしょうが、そこで次は最近数多く出版されている御朱印本を片っ端から読んでみました。その昔、写経してお寺に奉納した時に、その証として頂いたものが始まりで、そのうち参拝した時に頂くものとなり、後には神社でも御朱印を出すようになった、というのが御朱印の起源のようです。西国三十三ヶ所や四国八十八ヶ所の巡礼が盛んになるにつれ、御朱印も広まってきたのでしょう。

神社と御朱印集め

 しばらくの間、神社参りを趣味とする一部の人が行っていたという感じでしたが、神社ブームと同じ頃に、2010年くらいから爆発的に人気が広がってきたように思います。
 神社や寺院に参拝する人も増えてよいことですが、問題が起こったという話も聞くようになりました。
 その辺りについても含めて、御朱印について神主として個人的に考えることを書いていきます。

神社おける御朱印とは何か

 神社にとって御朱印とは何か、ということも考えなくてはなりません。
 お札やお守りのように神さまのお力がこめられているものか、あるいは単なる記念スタンプのようなものに過ぎないのか。ここはいろんな考え方があり、神社、神職によっても意見が異なることがあるかもしれません。筆者は個人的にはどちらかといえば記念スタンプに近いものかなと考えますがそれは例外的で、お札と同様に考える神職の方が主流に感じます。
 最も、仮に記念スタンプみたいなものと言っても、神社の印が押されたものを参拝の証明として頂くわけですから、大切にして頂きたいと思います。

神社と御朱印集め

<お寺と神社とで御朱印帳分けるべきか?>
 できれば分けた方がいいのではないでしょうか。神社、寺院によっては分けたものにしか書かないと言われることもあるようです。ただ、地域で神仏霊場のような企画をされている場合はそれ用に神仏合同で一つでもよいとは思います。

<御朱印帳以外のものに書いてもらっていいのか>
 基本的には専用の御朱印帳に書いてもらうべきでしょう。御朱印軸とか巡礼の場合は巡礼着に印を押す例もありますが、そのように昔から慣例として行われてるもの、あるいは神社側が用意したものならよいですが、そうでもない物に書いてもらうのはやめた方がよいでしょう。

<御朱印帳を忘れたので紙に書いてもらうのはいいのか>
 不在が多いので別途御朱印を書き置きしたものを用意している神社ならばそれを頂けばよいでしょうが、そうでもないところに無理にお願いするのはやめたほうがよいでしょう。

<神社の人間が不在、多忙の時>
 小さい神社ですとだいたい一人神主ですから、不在の場合や祭典などで多忙の場合は押印することができません。最初から別紙に押印して置いてある場合はそれを頂き、書き置きがない場合はまた今度事前にいるのか確認してからお越し下さい。

<書き損じ、押し損じはあります>
 書の書き損じ、日付の間違い、印の押し損じなど、当然ないようには気をつけているのですが、人間がやることですのでたまに間違うこともあります。申し訳ありませんが、それも仕方ないとあきらめてください

<人によって字が異なる、字が下手なのが気に入らない>
 これも頂く方の意見としてはよくわかるのですが、書に関しては上手い下手の個人差ががかなりありますから、これも一つの味とお考え下さい。

<時間を守りましょう>
 開門時間以外に電話して御朱印を無理にお願いする方もおられるようです。こころよく書いてくれる神社もありますが、必ずしもそうではありません。やめておきましょう

<御朱印帳を預けてお参りするのはよいのか>
本来参拝の証ですから、先に参拝してから御朱印をお願いするものです。ただ、大きな神社などで御朱印窓口が大変混み合って、御朱印帳を預けて書いてもらうこともあります。そのような時は先にお預けして、そして参拝するのもいいでしょう

<特別な書き方を要求するのは>
 こういうこと書いてくれと要求する人がいるようです。自分だけの御朱印、あるいは特別扱いされたいのはわからないではないですが、やめておきましょう

<参拝せずに御朱印だけもらうのは>
 ブームが過熱してくると、主客転倒して神社にお参りすることよりも、御朱印を頂くことの方が大切になってくることがあるようです。冷静になりましょう。

<御朱印や御朱印帳を転売するのはよいのか>
 信じられないことではありますが、インターネットにて御朱印や御朱印帳を転売する人がいるようです。御神霊が宿られるものかどうかは別として、神社から頂いたものを転売するのはよくありません。やめておきましょう。

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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

★教会長中島の本が出ました!
 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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