出雲大社境内案内(その3)
門神社
瑞垣の内側、八足門を入ったところに、二つ向かい合ったようにあるのが「門神社(もんじんのやしろ)」です。御門を守られる神として東側は宇治神、西側には久多美神がお祀りされています。八足門内は通常では入れませんので、近くでお参りすることはできません。
御向社
「御向社(みむかいのやしろ)」は瑞垣内に二つ並んでいるうちの左側(御本殿に近い方)のお社です。御祭神は素戔鳴尊(すさのおのみこと)の御子で、大国主大神さまと仲睦まじくお暮らしになった正后の須勢理比売命(すせりひめのみこと)です。このお社も八足門内にあり、近くでお参りはできませんので、瑞垣の外から拝礼しましょう。
天前社
「天前社(あまさきのやしろ)」は御向社の右側にあるお社です。大国主大神を治療して助けられた蚶貝比売命(きさがいひめのみこと)と蛤貝比売命(うむがいひめのみこと)をお祀りしています。そのことから看護の神さまとして信仰されています。このお社も八足門内にあり、近くでお参りはできませんので、瑞垣の外から拝礼しましょう。
文庫
瑞垣を進んでいくと北東にあるのが「文庫」です。その昔は書物などが収められていたようです。この建物には入れません。
素鵞社
御本殿の真後ろ、八雲山の麓にあるお社は素戔鳴尊(すさのおのみこと)をお祀りする「素鵞社(そがのやしろ)」です。素戔鳴尊は大国主大神さまのご先祖でもあり舅でもあられます。お社の後ろが聖地である八雲山(やくもやま)につながる山塊であるところから、お社を一周回る人もおられます。
稲佐の浜から持ってきた砂をお供えして、他の人がお供えしたものを持ち帰って家の清めに使うという信仰があります。また、出雲大社にはお供えされた神土を埋めて、専用のお札を貼ることによって、鬼門や家相の凶相が一切消え、福縁に結ばれる家となる「出雲屋敷」という強い信仰があります。
御本殿後ろから
御本殿を一番近くで拝見できる場所になります。その大きさを感じられます。
彰古館
西に進むと「彰古館」があります。奉納されたいろいろなダイコクさま像などが展示、出雲大社の信仰を広めた人たちの資料などが展示されています。拝観料は200円です。
御本殿を横から拝礼する
御本殿内、大国主大神さまの御神座は実は西の方角を向いておられます。これには古代の住居を元にしているのではないかという説や、海の方角を向いているのではという説もあります。そこで、この西側からも多くの人がお参りされています。
筑紫社
瑞垣内、こちら側にあるお社は大国主大神のお后様多紀理比売命(たぎりひめのみこと)をお祀りしている「筑紫社(つくしのやしろ)」です。多紀理比売命は筑紫(福岡県)の宗像神社の祭神でもあられます。古代から筑紫と出雲とは深い関係であったことを思わせます。このお社も八足門内にあり、近くでお参りはできませんので、瑞垣の外から拝礼しましょう。
氏社
西側に二つ同じような大きさのお社が並んでいますが、これが「氏社(うじのやしろ)」です。並んでいるうち北側のお社は天穂日命(あめのほひのみこと)をお祀りしています。命は天照大御神の御子で、出雲大社の祭祀を司るように命じられました。以来その子孫である出雲国造千家家が現在に至るまで大神さまにお仕えしています。
氏社
「氏社」の南側のお社は宮向宿禰(みやむきのすくね)をお祀りしています。宮向宿禰は天穂日命より十七代目の裔で出雲臣の姓を賜りました。これも出雲大社宮司の千家家のご先祖さまということになります。特別にお社でお祀りされているということは、大きな業績があった方だということなのでしょう。
西十九社
西側にも「十九社」があります。通常が扉が閉められていますが、神在祭の期間中、八百万の神々の御宿舎となられる一週間だけは扉が開かれています。
おみくじ
木に結ばれたおみくじの花は綺麗ではありますが、神社側が片付ける際には大変時間がかかるものです。そこで、結ぶところを用意するところが増えました。
ただ、実はおみくじを結んで帰るといい、というのはよくわからない話で、基本的には持ち帰って常に戒めとして読むものであると筆者は考えています。
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