出雲大社の福神祭の紹介です

出雲大社の福神祭

 出雲大社・出雲大社教の福神祭は、旧暦の大晦日から元旦にかけて、大勢の方が夜通し神楽殿にお籠もりするお祭りです。福の神として崇敬される「だいこくさま」大国主大神さまから、新年の福運、よいご縁を頂きます。

 令和6年(2024年)の福神祭は2月10日(土)午前1時からとなります。ですので、2月9日(金)の深夜のお籠もりになります。

昔の人の元旦

 近頃は大晦日の夜中、日付が代わり元旦になると同時に神社に初詣をされる方が増えてきました。ただ、このようになってきたのは最近のことで、昔は大晦日の夜は外出せず、神社や家に忌み籠もり、寝むらず夜通し過ごし「年神さま」をお迎えする、という慣わしが広く行われていたようです。
 年神様とは今年一年の豊かな実りをもたらす神様です。出雲大社の福神祭はそのようなお正月の伝統を受け継いでいる、と言えるでしょう。

福神祭がご奉仕される神楽殿
福神祭がご奉仕される神楽殿

お祭りの様子

 旧暦大晦日の夜から、神楽殿の大広間に人がどんどん集まりだしてきます。お籠もりして新年を迎え、お祭りに参列するというのに意義があるわけですが、そこでなるべく早く来て、少しでも長く大国主大神さまのお近くで過ごしたい、と思う人たちもたくさんおられます。

 お祭りが始まる午前1時までは待機になります。
 その間多くの方が「新年のご祈願」を納められ、これが何時間も行われます。旧ではない現在の元旦にも多くの方が新しい年のご祈願を受けられますがそのように「初祈祷」はありがたいものです。わざわざ福神祭に来られた方は、せっかくのこの機会、ぜひ旧正月の新しい年のご祈願を受けられ、大国主大神さまより新しい年の大きなおかげ、ご縁を頂かれて下さい。

 年が明けて、旧元旦の子の刻(午前1時)になると、斎主である出雲大社教の千家管長(出雲大社権宮司)始め神職が参進し、福神祭のお祭りが始まります。まずはお祓いののち、謝恩詞を参列者ともども奏上し、そしてお祭りで最も大事な祝詞の奏上がされます。神事が終わった後、管長による講話があります。神職のお話しを聞く機会はあまり無いかと思います。集中して聞きましょう。そして、お話しが終わるやいなや(お話しが終わるまで取ってはいけません)、神楽殿内に張り巡らされたしめ縄の紙垂の取り合いが始まります。この紙垂を頂くと、今年一年五穀豊穣、家内安全のご利益があると言われておりますが、激しい取り合いになると危ないですので、ほどほどにされてください。毎年フライングする方がいるのも見ていてあまり気持ちのよいものではありません。ご年配の方が多いようですが…。

 次に「福神純金御像」などの福神御像(金、銀、銅、木。神棚にお納めされています)が授与される「福授け抽選」が行われ、神楽殿内が熱気で包まれます。当たる方はよく当たる、という話も聞いたことがありますが、これがなかなか当たりません。当たった方には「目を掛けてやろう」という大神さまの思し召しがあるのだと思います。丁重にお祀り下さい。


(紫野教会長中島も毎年参列していますが、一回だけ福神銅御像を頂いたことがあります。それくらいですから、なかなか当たりません)

 抽選というと当たった、当たらないということばかりが気になりますが、たとえ当たらなくとも、この旧の元日を迎える一夜を大国主大神さまの元で過ごさせて頂いたということ、それだけで大きなおかげを頂いているのです。これが非常に大切なことです。見ていると中には抽選の時間に一人だけ残ってあとの人は帰っているようなこともあるようです。神さまは見ておられることですから、意味があるのだろうかと個人的には思ったりします。

 すべてが終了するのはだいたい午前4時くらいでしょうか。大半の方は近く宿を取っていられるか、地元の方なので、そのまま帰られます。バス、電車の始発は6時台までありません。そのため一部の方はストーブの付いている神楽殿で毛布を貸して朝7時くらいまではいさせてもらえるので、2時間ほど仮眠してから帰られるようです。

 福神祭にお籠もり下さい

 ということで、一晩徹夜状態になるところは大変ではありますが、他ではなかなか味わえない楽しいお祭りです。ぜひ福神祭にお籠もりされて、新年のお年玉を頂いて下さい。
 
福神祭の福授けのくじ
福神祭の福授けのくじがこの中に


福神祭の時、限定の授与品「福神祭招福御幣」
(これを頂いてお籠もりすると、いいことがあります)

 交通案内

<自動車>
 この時期の出雲地方は雪が降る可能性があります。平地部ではいつも積もっているわけではなく、積もっている時の方が遙かに少ないですが、降り出すと短時間で一気に積もることがあります。現地で借りたレンタカーはスタッドレスタイヤになっていますが、温暖地から普通タイヤで来ることはお薦めできません。途中の米子道などでは冬用タイヤ規制が行われていることも多いです。天気予報を十分に確認して、無理をしないで下さい。

<電車、バス>
 公共交通機関では、JR出雲市駅から出雲大社へは通常バスに乗ることが多いかと思いますが、JR出雲市駅19:30発のバスが最終となります。それ以降は一畑電車で向かうことになります。
 一畑電車の最終は電鉄出雲市駅平日22:39発、土日祝21:38発です。休日ダイヤの場合はかなり早く終わりますので、注意が必要です。
 上記の一畑バス一畑電車の時刻は令和4年10月時点で確認したものですが、正しくは各ウェブサイトでご確認下さい。

 宿泊と食事

<宿泊>
 夜中に行われるということで、午前4時くらいに終わりますので、近くの旅館に宿泊されることが多いようです。ただ、その時間に帰ってくることになりますので、予約の際に福神祭に参列しますと告げておいた方がよいでしょう。

<食事>
 出雲大社の近くで夜の食事を取ろうと考えている人もいるかもしれませんが、非常に店が少ないです。そば屋さんや観光客向けの店もほとんどが夕方で閉店します。
 ということで個人的に知っている店では、
 「看雲楼」(出雲大社駐車場のある交差点から南西)
 「きんぐ」(看雲楼から少し南西、西と進む)
 「NAMI」(勢溜より西に行ったところ)
どのような店か、また定休日、営業時間は別途ネットで確認してください。

 コンビニは出雲大社の東にファミリーマートがあります。神楽殿からは徒歩15分弱です。
 お土産は神楽殿前のお土産店がこの夜だけ臨時で開けてくれているので、購入することができます。

 よくある質問と回答

問:何時頃から入るのがいいのでしょうか?
答:例年、受付は午後5時頃から始まります。お籠もりして新年を迎えるということに意義がありますから、なるべく早い方がいいでしょう。毎年来るような地元の人は慣れてしまって、夜中近くになってから来る人もいますが、長い時間神楽殿の中で、大神さまのお近くにいられるということは大変ありがたいことです。午前1時まで待機することになりますが、早めにお籠もりするということも考えてみてはどうかと思います。

問:ご祈願の受付はどこでしたらよいでしょうか?
答:神楽殿入ったところに受付が設けられています。ご祈願の依頼もそこで可能です。

問:神楽殿での注意は?
答:携帯通話禁止、撮影禁止、喫煙禁止です。飲食は軽いものならこの日だけは許されています。こぼして畳を汚したり、他の人の迷惑にならないようにしてください。
 殿内にトイレはありません。神楽殿を一度出て、前庭を進んで道路まで出て、右の方に進むと公衆トイレがあります。

「福徳会」のご案内

 なかなか出雲までお参りするのは大変だ、という方のために「福徳会」が結ばれています。
 出雲大社紫野教会での福徳会会員お初穂料は一人300円で、会員章と福徳会お守りが授与されます。また会員名簿は福神祭において、神楽殿のご神前にお供えされ、福神祭の参列者と同じく、会員の方々の家内安全、無病息災が祈念されます。
 そして、福徳会会員の方にも福授けが行われ、福神御像(金、銀、銅、木)が抽籤で当たります。

 福徳会に加入されたい場合はお近くの出雲大社教の分祠、分院、教会、講社にお問い合わせ下さい。出雲大社紫野教会でも加入の手続きをしておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 <リンク>
 福徳会について

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(ご注意)このサイトは出雲大社教の教会で京都にある「出雲大社紫野教会」によるページです。福神祭についてのご質問にはこちらでもわかる範囲でお答えしておりますが、念のため正しくお知りになりたい場合は、「出雲大社教教務本庁」(TEL 0853-53-2063)にお問い合わせ下さい。

 紫野教会長とご一緒しませんか

 令和5年も紫野教会長が福神祭に参列する予定です。
 午前1時まで待機時間が長いものですから、ご一緒にお籠もりする方を毎年募集しております。
 現地集合ですので、自分に都合のよい予定で行動してください。
 出雲大社のお祭りでは参列者も「謝恩詞」と「神語」を一緒に奏上しますが、それを書いた紙も差し上げます。

ご興味のある方は
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※「出雲大社紫野(むらさきの)教会」は全国に100以上ある出雲大社教の教会の一つです。京都市北区で大国主大神さまをお祀りし、ご参拝、ご祈願ができます。また、お札お守りなどの授与を行っています。気軽にお参り下さい。
→出雲大社紫野教会について


<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

★教会長中島の本が出ました!
 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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TEL:075-491-2943地図
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